更新: 2022/12/08

IPv6とは?速いって本当?

ここ数年で日本国内でも普及が進んでいる、“IPv6”。名前こそよく聞くようにはなりましたが、「そもそもIPv6とは何か分からない」という方もいらっしゃるかと思います。また、「IPv6は回線速度が速いって聞いたけど本当なの?」と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、IPv6とは何なのかを簡単な言葉でご説明いたします。

そもそもIPv6って何?

IPv6とは、インターネット通信を行うための”取り決め”の一つです。

インターネットで通信を行うためには、通信を行う双方が特定の取り決めに基づいてやり取りをしなくてはなりません。
この取り決めのことを、”プロトコル”と言います。IPv6の”IP”は、”インターネット・プロトコル”の頭文字から来ているんです。

今までは”IPv4″という取り決めで通信を行っていましたが、これが新しくなったものが”IPv6″です。

どうしてIPv6が生まれたの?

IPv4やIPv6の取り決めの中で、最も重要なものが“IPアドレス”。これは、インターネット世界における住所のようなものです。

今までのIPv4の仕組みでは、全世界で43億個のIPアドレスが使えました。かなりの数ではありますが、現在では殆どのIPアドレスが使われています。
建物を建てたくても、住所が埋まっていれば建てられませんよね。

そこで、住所(IPアドレス)が枯渇しないように開発されたのがIPv6です。

IPv6では、使えるIPアドレスが約340澗まで増大。聞き慣れない単位ですが、これはおよそ”340兆の1兆倍の1兆倍”。これだけあれば、「住所が無くて建物が建てられない!」なんてことにはならないですね。

IPv6は回線速度が速いの?

結論から言うと、IPv4からIPv6に変更することでインターネット通信の速度は向上します。

弊社でもIPv6へ変更をしており、従来からおよそ1.5倍~2倍ほどの通信速度になりました。(※あくまで弊社内のケースです)しかし、IPv6は回線自体が速くなっているわけではありません。

では、一体なぜ通信速度が向上するのでしょうか?

IPv6では、ネットに接続する新しい方式”IPoE方式”が使えるようになりました。

NTTの光回線など、日本における6割以上の光回線では、それぞれのパソコンからインターネットに接続するとき、“NTE”と呼ばれる部分を通らなくてはなりませんでした。1このNTEを通る通信方式を、”PPPoE”と言います。

“NTE”は回線事業者の拠点にある装置で、現実世界で例えると“高速道路の料金所”のようなものです。連休の帰宅ラッシュなどは、料金所に長蛇の列が並んでなかなか進みませんよね。

ネット回線も同様に、どれだけ回線の速度が早くても、NTEが混んでしまうと速度が遅くなってしまうのです。深夜や朝などは快適にネットが使えても、夕方から夜にかけてネットの速度が遅くなる、というのは、このNTEの混雑が原因です。

そこで、NTEを使わずにインターネットに接続できる方式が考案されました。それが“IPoE方式”です。

IPoE方式では、NTEを通らず直接インターネットに接続することができるので、人が多くても混雑する心配がありません。そのため、どんな時間帯でも快適にネットを使えるのです。

IPv6へはどうやって変更するの?

IPv4からIPv6へ変更するには、インターネット回線事業者に問い合わせ、契約を変更すればOKです。

しかし、変更する前に気をつけなければならないことがあります。

v4からv6に変更する際の注意

IPv6に変更すると、今まで使っていた機器などが使えなくなってしまう可能性があります。最も多いトラブルが、”ポート開放”が必要な機器。

これは遠隔操作や拠点間通信などに使われる技術で、例えば防犯カメラの映像を遠隔で確認するときや、VPNで別の事務所と通信を行う時に必要になります。

このポート開放を行う手順が、IPv4とIPv6では異なっています。そのため、単純にIPv4からIPv6へ変更してしまうと、「遠隔でカメラの映像が見えない!」、「拠点間の通信ができなくなった・・・」などのトラブルが発生してしまう可能性があるのです。

まとめ

IPv6は、通信速度が速くなるためとても便利です。しかし、正しく導入しなくては不具合が発生してしまう可能性も。変更する際はしっかり調査をすることが必要です。

弊社はネットワーク機器の設定から回線の契約までトータルにご対応可能です。「IPv6に変更したいけど、なにから着手すれば分からない・・・」という方は、こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡下さい。

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